空中からふわふわと舞い降り、おしろいの粉を食べて増殖する不気味な未確認生物「ケサランパサラン」。
ケサランパサランが確認されたのは江戸時代。
主に東北地方を中心に現代に至るまで語り継がれているわけだが、果たしてこのケサランパサランの正体は何なのだろうか。
今回はこのケサランパサランの正体に迫る。
謎の生物・ケサランパサランとは
image: A wonderful inmate
ケサランパサランとは、現代になってもその謎が解き明かされていない生物(物体)で、ここ日本では江戸時代以降の民間伝承によって多くの人が確認している。
特徴としては綿毛のように白い見た目をしており、フワフワと空中を浮遊。また、大きさや数などは各個体によって様々で、その動きなどに一貫した特徴はない。
つまり、この正体不明の生物は動物でもなければ植物でもなく、鉱物ともいい難い特定ができない生物なのだ。そのため、ケサランパサランに関しては画像を参考にしていただき、それぞれの解釈をもって捉えていただければと思う。
なお、ケサランパサランは特に人間に対して害はもたらさないようだ。現状ではこれが人間に危険なモノとするような情報もないし、不幸が訪れたなどの情報もない。しかしながら、その正体がわからないだけに不気味。
ただ、見た目は真っ白で繊維とも綿ともとれる格好をしているため、不思議と避けられることがないようだ。見た目からしても恐怖とは無縁の風貌をしていることもあり、むしろこれが好まれる存在と言っても過言ではないかもしれない。
しかし、この正体不明の生物はいつから人々の間で知られるようになったのだろう。
そして、それがどこから発祥したのだろうか。
謎の生物は増殖するとの情報あり
正体不明の生物「ケサランパサラン」発祥の地は、岩手県九戸郡山形村(現:久慈市)と言われている。
目撃者はそれを捕獲すると餌とともに穴のあいた桐箱に入れ、タンスの奥にしまっておいたという。
するとその家にいくつかの幸運がもたらされたこともあり、その後は一種の幸運のお守りとして扱われるようになったそうだ。
なお、ケサランパサランが幸運をもたらすという噂は東北地方に伝わり、現在では母から娘へと小分けする風習があるとのこと。
image: 丿レ富士塚
話はこれで終わらない。
1994年秋、千葉県富津市に住む最勝寺景子さんは、タンスの奥にしまっておいた桐箱を久しぶりに開けた。
箱の中には17年前に最勝寺さんが自宅の近所で捕獲した5つのケサランパサランが入っているはずだった。ところが箱を開けると、それぞれの毛の塊が大きくなっているばかりか、6つに増えていたのだという。
このとき最勝寺さんは「ケサランパサランがおしろいの粉を食べて成長し、子供を作るという伝承は本当だった」と思ったそうだ。
この最勝寺さんの証言によって、ケサランパサランは成長、もしくは増殖することがわかった。もちろん、最勝寺さんの見間違いである可能性も考えられるがこの先の情報を把握すると、その正体不明の生物が増殖するという情報に信ぴょう性が増す。
正体不明の「ケサランパサラン」は確実に成長する
引き続き、最勝寺さんの話を続ける。
4年後、最勝寺さんは東京都板橋区に引っ越しをする。すると孫娘の通う保育園の女性職員が捕獲したというケサランパサランの飼育法を相談されたそうだ。
女性職員の飼っている正体不明の生物は自分のものと明らかに形状が異なっていたが、最勝寺さんはとりあえず女性職員に桐の箱とおしろいの粉を渡し、根気よく飼育するようすすめたという。
そして3年後、最勝寺さんが女性職員のものを見せてもらったところ、なんとここでも毛の塊は成長し、数も増えていたのである。
この正体不明の生物「ケサランパサラン」の現物は、現在もその保育園で保管されているそうだ。
現時点でこの正体不明の生物でわかっていることは、
- 桐箱とおしろいの粉で成長する
- 形状が大きくなるだけでなく増殖?する
- 各個体によって形状は異なる
この3点だ。
が、その正体がわかったわけではない。あくまで成長・増殖することと、個体によって風貌がそれぞれ違うということがわかっただけの話だ。特に気になるのは「おしろいの粉」で成長するという点。
おしろいの粉の成分とケサランパサランの構造を細かく調査すれば、その正体が何であるかヒントを掴めそうな気はする。なお、おしろいの粉における成分は各商品によって異なるので、正体を知るための実験をするのであればそれぞれを試す必要があるだろう。
念のため、各おしろいの粉の成分を紹介しておく。
粉白粉は、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、コーンスターチ、澱粉などを粉末状にし、混合した物。スキンクリームなどを化粧下地にパフや刷毛で刷くか、水か化粧水に溶いた物を塗る。パウダーファンデーションにあたる物。水白粉
粉白粉を化粧水、もしくは乳液に溶かした物。リキッドファンデーションにあたる物。
練(煉)り白粉
粉白粉と油、もしくはグリセリンと練り合わせた白粉。水もしくは化粧水で溶いて塗り、舞台化粧などの濃厚な化粧に用いられる。ファンデーションケーキにあたる物。
紙白粉
白粉紙とも。練り白粉、もしくは水白粉を紙に塗り、乾燥させた物。外出先の化粧直しを目的とした携帯用。
引用: Wikipedia
いずれにしても、この謎の生物が一体何なのか、その正体は未だ解き明かされていない。
これについては正体解明をしてはいけないのかもしれない感覚もあるが、やはりケサランパサランが何であるかは知りたいところだ。
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