心霊関連の歴史を語る上では、霊媒とされる破裂音「ラップ音」と交信したフォックス姉妹を外すことはできないだろう。
霊媒「ラップ音」と交信したとされるフォックス姉妹は、長女のリア、次女のマーガレット、三女のケイトの3姉妹。長女のリアを除く、2人が交信したというから驚きだ。(長女は2人のマネージメントを担当していた)
なかにはトリックが隠されていると言った声もあるが、今回は霊媒姉妹「フォックス姉妹」に迫ることとした。
“ラップ音交信”で話題となった「フォックス姉妹」
世の中には様々な霊媒があると言われているが、霊が現れるときに生じる破裂音をもとに、霊と交信するという手法で話題になったのが「フォックス姉妹」だ。
image: okakuro.org/
彼女たちはアメリカの心霊ブームの火付け役と言っても過言ではなく、今となっても全世界のオカルト史には欠かせない存在である。
さて、そんなフォックス姉妹がラップ音と交信するきっかけになったのは、1847年にニューヨーク州の田舎町への引越しだった。はじめは穏やかな生活であったものの、翌年から部屋で破裂音が多く鳴るように・・・。
本来であればその破裂音を不気味に思い、違う物件に引っ越すところだが、フォックス姉妹は違った。なんと彼女たちは次第にそのラップ音と交信できるようになり、指を鳴らすとラップ音がそれに応えるようになったという。
そして、フォックス姉妹はラップ音に対し、「今から質問する内容の答えがイエスなら1回、ノーなら2回音を鳴ってみせて」と願うと、その問いかけに応える形でラップ音が鳴った。
そして、フォックス姉妹が暮らしていた家で鳴っていた“ラップ音の正体”が明らかになったのである。
ラップ音の正体は行商人の霊だった
フォックス姉妹はその後も家で鳴るラップ音と交信し続けた。
そして、ついにラップ音の正体が明らかになる。
フォックス姉妹の家で鳴っていたラップ音の正体は、数年前にこの家で殺害された行商人の霊であることがわかったのだ。
行商人の霊は、火曜日の深夜に肉切り包丁でのどを裂かれたこと、死体がこの家の地下室に埋められていることを訴え、フォックス姉妹に死体の発掘を要望したのである。
その後、地下室を探索したところ、数本の骨と毛髪が発見された。
この噂は瞬く間に周囲に広がり、アメリカはもちろんのこと、外国からも沢山の心霊研究科や学術関係者らが調査にやってくることに。
こうしてフォックス姉妹は“霊媒姉妹”、もしくは“ラップ音と交信できる姉妹”として、世界中で知られるようになる。
破裂音の発生源を調査している模様(絵)
image: enigma-calender.blogspot.jp/
なお、この人気をきっかけに各地で彼女たちを真似た「交霊会」が催されるようになった。いわゆる、ニセモノが増えたのである。
人気が姉妹間に亀裂を生じさせてしまう
image: borges.blog118.fc2.com/
破裂音と交信できる霊媒姉妹として、世界中から注目される存在になったフォック姉妹だったが、その人気が影響して姉妹の間に亀裂が生じるようになる。
フォック姉妹のマネージメントをしていたのは長女のリアだったのだが、金銭面が原因となって3人が対立するように・・・。
そのストレスからマーガレットは次のような衝撃的なコメントを発表する。
「実はラップ音はすべてイカサマです」
結局のところ、イカサマであるかは検証されないまま、フォックス姉妹は生涯を終えた。
マーガレットの告白を機にフォックス姉妹がイカサマという噂が拡散したが、彼女たちの死後、地下室の壁から人骨と行商人用のブリキ製の箱が見つかっている。
そう、フォックス姉妹がラップ音と交信して得た内容と一致していたのだ。
だからこそ、彼女たちの霊媒能力は確かなものだったと思いたい。
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