「謎の坊主を侮るな」 これは富士の樹海、いや書籍「完全自殺マニュアル」において話題となったフレーズだ。
何でも富士の青木ケ原樹海には不気味な人間が暮らしており、その人物が坊主なのだという。 富士の樹海は言わずと知れた自殺の名所となってしまったが、そのような樹海の中に坊主など暮らしているのだろうか。
今回は富士の青木ケ原樹海で話題となっている“不気味な人(坊主)”の存在をまとめた。
デマじゃなかった…青木ケ原樹海に暮らす“坊主の存在”
色々と青木ケ原樹海に暮らす人物について調べたところ、噂されている「樹海に暮らす謎の坊主」は実在していることがわかった。
謎の坊主の正体は「乾徳道場」の住職。
乾徳道場は「精進口登山道」をおよそ数km進んだところにあり、木々に囲まれた中にポツンと佇んでいる。ちなみにこれが乾徳道場の画像だ。
image: 雀の学校
この乾徳道場の住職は日蓮宗の夫婦が修行をするために拠点となっており、我々が想像するような自殺の手助けをするような施設ではない。
ネット上を散策するとこの道場を目指す人がそれなりにいるようで、実際に道場に足を運び住職と話をした方が多く見られる。 それらの話から推測するに道場に暮らす住職はとてもフレンドリーな方で、挨拶をするだけでもお茶などを出してくれるらしい。
人によって捉え方はそれぞれだが、住職は話が好き(話が長い)ようで数時間は話のマシンガンを浴びせられるとのこと。この話が好きという背景には、住職が「人と関わることが苦手」、「上の坊主が信者から金を巻き上げるのが嫌になり出家」など様々な説がある。
いずれにしても、富士の樹海に坊主が住んでいることは確かだった。
が、乾徳道場の住職によれば、面白半分で道場にやってくる人間によって多々苦労があったらしい。
住職が口にした「完全自殺マニュアル」の悪影響
実際に乾徳道場へ足を運んだ人物の話によれば、住職はこれまでに訪れた心無い人間によって散々な目にあったという。
冒頭でも書いた「謎の坊主を侮るな」は書籍「完全自殺マニュアル」に書かれている文句だ。これに興味を示した読者がその坊主を探そうと青木ケ原樹海に繰り出したのである。
これにより道場に落書きをはじめ数々のいたずらをされ、一時期は酷い状態にあったとのこと。その影響もあって住職は警戒心が強くなり、よそ者を嫌っていたという。 しかし、現在はとても友好的な住職と評判。 樹海探索を楽しむ人々の間では、優しい道場の住職として知られているという。
樹海に住む不気味な人物ということで今回の住職について調べたが、むしろ住職は一冊の本で沢山の被害を受けた一人だった。
いずれにしても「完全自殺マニュアル」など、一般常識に反した悪しき本でしかない。
樹海で不気味な人物は坊主ではない
道場の住職はまったくもって不気味な人物ではない。
むしろ富士の樹海で不気味な人物は、自殺目的で訪れる人々のことを指すのではないか。
が、富士の樹海にポツンと道場があると不気味な人間が暮らしているのではと思ってしまうもの。やや現実的な話になるが、富士の樹海は国定公園ということもあり、一切の建造物を建ててはならない決まりがある。 つまり、乾徳道場はその決まりに違反していることになる。
これについて調べたところ、どうやら管理がいい加減だった時期に道場を建てていたことがわかった。
そのため住職は現在、既得権で道場に暮らしているのだ。
しかし、役所からは頻繁に立ち退き依頼が来ているという・・・。
単純に修行のみの拠点であれば立ち退きに応じるべきだが、自殺者が頼ってくることもしばしあるようなので、それを考えれば残しておくべき拠点と言っていいのかもしれない。
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