ここ日本でもお馴染みとなっているメキシコの「ソチミルコ人形島」。
もはやメキシコの観光(心霊)スポットとなりつつあるが、ソチミルコはメキシコ国内でも花や自然があふれる美しい都市だ。
しかし、日本でのイメージは完全に“人形島”そのものといえよう。
そこで今回はメキシコ・ソチミルコの人形島に迫ることとした。
ソチミルコの“死者の集う場所”
ソチミルコは首都メキシコシティの南部、およそ28km地点にある。
ここ日本では“人形島”のイメージでダークな雰囲気が持たれているが、ソチミルコは1987年に世界文化遺産に登録されており、自然に溢れる美しい都市として有名。
しかし、ソチミルコの“人形島”が与える悪影響はとてつもないようだ。
メキシコで話題のソチミルコ人形島は、もともと農業用につくられた人工の島。その姿は水草と泥、そして無数の不気味な人形に覆われ、運河に浮かんでいる。
image: earthjp.net/
ソチミルコの人形島付近では不可解な水難事故が多発しており、死者や行方不明者の数も多い。そう、この人形島は昔から地元で“タブー”として語られる地であった。
なお、この近辺の歴史を遡ってみると、タブーと語られる理由がわかった気がする。
16世紀、ソチミルコのこの近辺はスペイン人の侵略があった場所。当地の人々は侵略によって虐殺されていることから、先住民族が残した地図によると「この島は“死者の集う場所”」と記されていた。
人形島というネーミングだけ聞くと、まるでどこかの物語の舞台とも言うべき、かわいらしさを感じる島をイメージさせる。しかし、この島は不気味に溢れているのだ。
メキシコ・ソチミルコの人形島における謎
メキシコ・ソチミルコの人形島には数え切れないほどの人形がある。
それらは木々に吊るされており、風化や腐食によってボロボロの状態になったものばかりだ。
もちろん、これらの人形はもともと可愛らしい姿をしていたに違いない。しかし、年月を経たことで痛み、現状は薄気味悪い表情に変化してしまった。
image: nazo108.sblo.jp/
なお、メキシコ・ソチミルコの人形島に吊るされている人形の数は、1000を超えると言われている。
これほどまでの夥しい数の人形がなぜ木々に吊るされているのか?
それはあるひとりの男の行為によるものだった。
その男の名は「ドン・ジュリアン・サンタナ」。彼は癒しの呪術を習得していた人物だったが、その能力をよく思わない人々に追いやられ、やがてソチミルコの人形島に暮らすこととなる。いや、この島で孤独に暮らすことを余儀なくされたと言ったほうが正しいだろう。
その後、この島で悲劇が起こる。
1950年代、ひとりの少女がサンタナの目の前で溺死したのだ。
それからというもの、サンタナは少女を助けられなかったことを悔み続け、その供養をすることを決心する。運河に捨てられた人形を拾い集めると、祭壇を作り、木に吊るした。
が、これらの行為は当地において決して異常なものではない。
なぜなら、ソチミルコではキリスト教とブードゥー教が習合しており、人形を祀る風習が根付いているからだ。
こうして、メキシコのひとつの島には人形が日々吊るされていった。
この島が不気味がられる最大の理由
image: donaiyanen.com
サンタナは約50年にもわたって、メキシコのソチミルコにある人工島で人形を飾り続けたとされる。
あるときから島は古びた人形一色となっていたが、彼はそれでも人形を飾ることに腐心していた。
しかし、彼は2001年にこの世を去る。
死因はサンタナが人形島を作るきっかけとなった少女と同じ溺死。さらにその遺体が発見されたのも、少女と同じ場所だったとのこと。
はたしてサンタナは助けることができなかった少女の霊に引き込まれたのだろうか。彼が死んでしまった今、それを確かめる術はない。
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