ここ日本における怖い話の定番となっているのが、タクシー運転手が女幽霊を乗せたというあの話だ。
しかし、海外では深夜に“消えるヒッチハイカー”が出るといった事件が実際に起こっている。
その消えるヒッチハイカーは特定の場所に現れ、目撃証言による決まって髪の長い女性だというのだが・・・。
今回はイギリスのケント州メイドストーン近郊ブルーベル・ヒルで目撃談が相次ぐ、消えるヒッチハイカー事件を追う。
深夜に出現する“消えるヒッチハイカー”
image: starnow.com
イギリスのケント州メイドストーン近郊ブルーベル・ヒルは、不気味な出会いがある場所として知られている。
2008年12月27日午前0時15分すぎ。アメリカから休暇でやってきたジャック・リーマンとスザンナ・ロスが、レンタカーでブルーベル・ハイウェイA229号線を走っていたときのことだ。
ヘッドライトのあかりが前方の道路脇に立つ若い女性の姿を捉えた。
どうやらヒッチハイカーらしいが、乗せる気はせず素通りしようとした瞬間、なんとその女性が車の前に飛び出してきたのである。
慌てて急ブレーキを踏んだが時すでに遅く、猛スピードのまま轢いてしまった。
ふたりは外に飛び出し、周囲を見渡したが車の前、車体の下、道路脇、どこを見ても女性の姿が見当たらない。首をひねりながら車に戻ったふたりは最寄りの警察署に行き、事件を報告した。
そして、警官とともに再び現場に戻ったのだが、路上には急ブレーキの痕が残っているのみ。そして警官は次のように言い放ったという。
「君たちがみたのは消えるヒッチハイカー、すなわち幽霊ヒッチハイカーだったかもしれない」
となると、この警官はここで起きている“消えるヒッチハイカー事件”を知っている人物なのだろう。
警官は何度も幽霊ヒッチハイカー事件を担当していた
実はこの警察署は何度か同様の通報を受けてことがあるという。そう、消えるヒッチハイカーを轢いてしまったという事件だ。
消えるヒッチハイカーを見た運転者は決まってハンドルを切りそこね、車が横転したり道路脇に突っ込んだりするなどの事故を起こしている。
このようにブルーベルの特定の場所では、消えるヒッチハイカー事件が多発しているのだ。
翌朝、消えるヒッチハイカー事件にあったふたりは宿泊先の管理人にこんな話を聞いたそうだ。
1965年11月9日にA229号線である交通事故が起きた。事故の犠牲者は結婚式に向かう途中の3人の女性で、その中には当日の花嫁であったジュディス・リンガムも含まれていたという。
当時の交通事故で亡くなった3人の女性(新聞記事画像)
image: authorsden.com
これまで消えるヒッチハイカーを目撃した人物の中にはリンガムの知人もいた。彼らによれば幽霊とリンガムの容姿は酷似しているというのである。
ということは、一連のヒッチハイカー事件を引き起こしている幽霊、それは交通事故で亡くなったリンガムなのだろうか。
この世に思いを残したリンガムは婚約者が待つ結婚式場に行くために、その場所でヒッチハイクを繰り返している可能性が高い。もしくはこの世を恨んで道連れを求めているという味方もできるが・・・。
不気味な現象が起こるブルーベル・ヒルの詳細
まずは“消えるヒッチハイカー事件”が起こる現場の画像をご覧いただきたい。
見ての通り、昼間でも見通しが悪く路面がうなっている。しかし、ここでリンガムがなくなったのかは不明。あくまでハイウェイA229号線であることに間違いはないが、ヒッチハイカー事件が起こるのは決まって画像の場所だという。
なお、以下の画像はリンガムが亡くなった交通事故の新聞記事。
image: unofficialbritain.com
少なとも現地ではこのリンガムが消えるヒッチハイカーとして有力視されているようだ。また、ネット上では消えるヒッチハイカーのイメージ画像などが多く出回っており、それの特徴は顔も服装も白い、まさに幽霊そのものといった印象。
しかし、リンガムの幽霊と思われる消えるヒッチハイカーは、ウェディングドレスのような姿で目撃されることもあるという。
さて、この消えるヒッチハイカー事件だがその真相は噂どおり、交通事故で亡くなったリンガムの幽霊によるものなのだろうか。ひとつのヒッチハイカー事件が一人歩きし、錯覚によってここまで大きな事件になったという可能性も。
また、現状では真夜中の道を走っていると白い服を着た女性がヒッチハイクをしており、後にそれが幽霊だったというオチのフェイク動画がネット上に溢れている。
これを現地で面白おかしく拡散させたという可能性もあるので、噂だけを信じるのはややナンセンスかもしれない。
とはいえ、噂のとおりリンガムの幽霊が夜な夜なヒッチハイクをしているのだとしたら、それはとても悲しい事件といえよう。恨みを残して消えるヒッチハイカー事件を起こしているというよりも、やはり婚約者のもとに向かうべくヒッチハイクをしている印象の方が強い。
仮に現在でも消えるヒッチハイカー事件が起こっているのだとしたら、まだ彼女の霊は天に上がっていないのだろう。
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